たどってきた道には例外なく独自の歌が宿っています。耳をわたしの胸に押し当ててみれば、それが聞こえるはずです。この歌は常にわたしと共にあり、山頂の向こうへと舞い上がり、小さく忘れ去られた神々のいる溝で眠りました。歌はわたしの髪の毛の至る所に絡みつき、靴に重くのしかかります。日によっては、この歌はわたしの骨を伝ってどんな嵐にも負けないほどの大音声で歌い、別の日には、存在すらも忘れてしまうほど静かに調べをハミングします。それでも、わたしはいつも歌をしっかりと抱きとめ、マントを羽織り、歩き杖を手に、もう一度、足を踏み出すのです。
わたしは歌を信じています。道を信じています。いつの日か、街に到着し、草むらに身を横たえ、こここそが運命づけられていた場所だと悟ると、信じています。道はわたしを我が家へと運んでくれる川なのです。